こころの拠り所【幼稚園と先生の思い出2】

幼児期のわたし

先生と銭湯の思い出

景子先生も私が通っていた銭湯の利用者だった。

同じ町内、先生の家は銭湯のはす向かいだった。遅い時間に行くとたまに会うことがあり私は偶然先生に会うと得した気分になった。

先生とお風呂なんて先生を独り占めした気分。

先生と背中の流しっこをしたり一緒に湯船に入ったりして、たくさん話もした。他の誰もしていない特別な時間を共有できていることに優越感を感じていた。

先生みたいなお母さんがいたらなぁ・・・。

私は、優しくしてくれる人がいるとそんなことを考えるようになっていた。

先生からの贈り物

ある日の夜、突然、景子先生が家に訪ねて来た。

クリスマスプレゼントを持ってきたという。

私は今までクリスマスプレゼントをもらったことがなかったし、ケーキも子供会のクリスマス会でもらうくらいだったので

クリスマスというものが単なるお楽しみ会という認識しかなくて、先生が直々にプレゼントを持ってきたことに驚いた。

先生は祖母に「ちょっといいですか?」と外に出てきてほしいといい、しばらく二人で何かを話していた。何を話していたのかはわからない。

戻ってきた先生は私にダイカットの動物飾りがついている可愛いクーピーペンシルと白いフリルのエプロンをくれた。

まだ幼かった私は、ただただ嬉しかった。それが特別なものだと思わなかったので、みんなももらっているものだとばかり思っていた。

内緒の贈り物

その年のお遊戯会で、私はグループで7匹の子ヤギの劇をすることになった。

私は身長が高いほうで背の順は後ろから二番目。

必然的にお母さん役を演じることになり、お母さんらしさを出すための衣装にエプロンが必要ということになった。

「先生がくれたエプロンがちょうどいいから持ってくるね!」

私がそういうと景子先生は慌てて「え?なんのこと?」ととぼけていた。

私「先生クリスマスの時にくれたエプロンだよ、私あれ持ってくる!」

先生「真子ちゃん何言ってるの?クリスマスプレゼントって何?」

とうとうその件の話がかみ合わなかった。何かおかしなこと言ったかな?

後からわかったこと、先生が私にだけプレゼントをくれていた。

そのエプロンはフリルのついたヒラヒラの可愛らしいエプロンだった。私は発表会の当日そのエプロンをつけてお母さん役を演じた。

その後ほとんど使う場面がなくサイズ落ちで誰かにもらわれて行ったが、クーピーペンシルはしばらく私のお気に入りとして使った。

景子先生はなぜ私にだけプレゼントをくれたんだろう…。

実は景子先生はその後の私の人生にちょこちょこ寄り添ってくれる人になるのだった。


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