入眠儀式

幼児期のわたし

指しゃぶり

私は3歳の頃いつも指しゃぶりをしていた。

暇さえあればというか、眠いわけではなくても。

家で商売をしており、祖父母が忙しく仕事をしているので、

保育園にいる時以外はいつも一人ぼっちで遊んだ。そして何かと寂しくて泣いてばかりいた。

寂しいと泣いて、暇さえあれば指しゃぶりをしていたので指はいつもふやけていて、タコができ始めていた

忘れもしない

ある時、保育園へ行きいつものように指しゃぶりをしていたら先生がそっと指を外してきた。

何度も何度も外してくるので泣いて抵抗したが、先生は毅然として外してきた。

先生の表情も、その行動も怖かったことを覚えている。

ただ、無表情で指を外す。指しゃぶりをすると先生が怖い顔で近づいてくる。

家でも、同時期に祖母が同じことをしてきた。

たぶん、それまではすぐ泣くしうるさいので指しゃぶりも容認してきたが

指にタコができ始めたり、曲がってきたりしていよいよやめさせないとと思ったんだろう。

そして祖母は、私が指しゃぶりを止める事ができたのはその先生のおかげだ!

と周りの人に話していたが、私は大切な心の拠り所がひとつなくなってとても悲しかったし、

なぜ無理に止めなくてはならなかったのか?

私の前でそんな話をする祖母が疎ましいと思った。


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安心毛布はタオルケット

指しゃぶりをやめさせられ、私がいつも感じていた、喉に何かつっかえてる感覚がどうにもならずにいた。

結局また家では泣いてばかりになり、「うるさい!」と怒られてばかりいた。

指しゃぶりで気持ちが落ち着いていたのに、気持ちをどこに持っていいのかわからずにいたが、

タオルケットを口に当てると気持ちが落ち着くことに気が付いた。

たまに洗われてしまうと手触りが変わってしまったが、それはそれで

石鹸の匂いになるのも好きだった。

いずれ使っているうちに馴染んできてやわらかい肌触りになる経過もなんとなく楽しんだ。

指しゃぶりはダメだったが、タオルケットは取り上げられなかった。

ライナスの毛布と同じ

安心毛布としてそのタオルケットは、それからも十何年、ずっと心を落ち着けるものとしていつも私のそばにあった。

寂しいときも悲しいときも、私のそばにあり

ボロボロになった時も洋裁の得意な伯母が脇のほつれを直してくれて、ずっと使っていた。

十何年共にしたタオルケットは、ある時とうとう経年劣化で破れてしまった。

ずっと心に寄り添ってくれていたタオルケット。

私にはずいぶん長い間必要だった・・・。


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