
初めての親友
保育園は自転車で、雨の日はバスで登園したが、幼稚園には徒歩で通った。
歩いてもさほどの距離ではなく、駐車場も狭いのでほとんどの子が歩いて登園していた。
登園時間に同じクラスの友子ちゃん、隣のクラスの愛ちゃんと一緒になることがあった。
近所に同い年の女の子が住んでいるのを知った私は、毎日のように友子ちゃん、愛ちゃんと遊ぶようになった。
幼稚園はさよならの時間が早いので帰宅してもまだまだ時間がたっぷりある。
友子ちゃんと愛ちゃんの家は同じ商店街にあり、斜向かいに友子ちゃんの家、
同じ並びの5軒ほど先に愛ちゃんの家があった。
2人の家も商売をしていてどちらも祖父母や曾祖母も同居する大家族だった。
愛ちゃんは2年保育だったので違うクラスだったけど、いつもこの3人と愛ちゃんの妹の雪ちゃんと4人で遊んだ。

駄菓子屋デビュー
ある日、愛ちゃんの家に遊びに行くと雪ちゃんと二人で私が見たこともないお菓子を食べていた。
私はどうしてもそれが気になって愛ちゃんに少し分けてもらって食べた。
それは駄菓子屋さんで買った串に刺さったカステラで、今もあの時の衝撃を忘れていない。
ちょっとザラッとした砂糖がまぶしてあり、パサッとした大人は食べないであろう
本物のカステラには程遠いなんちゃってカステラだが初めて食べるそのお菓子は幼い私の心をグッとつかんだ。
それからは愛ちゃんたちと遊ぶ時はお小遣いをもらって4人で駄菓子屋に行くことになった。
おやつを買ってきて食べてから遊ぶのが定番に。
私は、祖母はきっとこのお菓子を買ってくれないだろうと思っていたのだが、愛ちゃんのお母さんの提案で、これからはみんな同じ額のお金を持って買いに行かせることで話をまとめてくれた。
祖母は見栄っ張りなので、こういう誰かが絡む時にウチだけダメとは言わなかった。
なので、友子ちゃんと愛ちゃんと遊ぶ時には50円をくれるようになった。
これで買ってと言っても買ってくれないストレスもなくなり、自分でおやつを確保できることになって私は嬉しかった。
私はいつも
いちごあめ(紐付き)10円
かすて~ら10円
くじ付きガム10円
くじ付きラムネ10円
うまい棒10円
エビせんべい10円
粉のジュース10円(水に入れて飲む)
と、このなかで50円分というメニューが定番でたまに親戚のおじさんにお小遣いをもらうといつもは手が出ない
カレーせんべい30円や3色トリノアイス30円を買ったりした。
いちごあめはアタリが出ると大きな飴がもらえて、ガムやラムネも当たりだと大きなガムとラムネがもらえた。
私の数少ない楽しかった思い出。
あの頃の駄菓子屋は、夢のような世界だった。今でもイオンに行くとついつい足が向いてしまうノスタルジックで魅力的な駄菓子屋。
それから何年か通うことになった近所のなじみの駄菓子屋は今はもうなくなってしまったけど、私たちの大好きな色あせない思い出の一つになっている。
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