おじいさまと呼べ
祖父が、とあるテレビ番組を観ながらよくこんなことを言った。
「今日からおじいちゃんのことはおじいさまと呼べ。」と。
祖父母は飽きもせずNHKばかり観ていて
自分たちが観たい番組がない時だけ私が自由に別の番組を観て良いことになっていたたので(認められたものだけ)私も同じ部屋にいるので同じ番組を観ていた。
祖父母お気に入りの番組に、減点パパという番組があった。
おぼろげな記憶では
司会者の三波伸介さんがゲストの子供のヒントを元に似顔絵を描いて、それを解答者が当てる。
芸能人の親子が出演する番組。幸せそうな親子が出演してはあえて父親の減点すべきところを晒すという、昭和ならではの番組。
その番組は、まれに孫が出てきてその子の祖父が誰なのかを当てる時があった。
こんな家庭で育った私にとって、お金持ちの幸せファミリー自慢話でこの番組が、子供ながらに不愉快で嫌いだった。
当たるとゲストの子が「パパ〜!」とか「お父様〜」「おとうちゃま〜」とゲストを呼ぶのだが(確かこんな感じ)
それを見るたびに「おじいさまと呼べ」と言う。
本人の前では「おじい」と呼んでいたが、本人がいない時、ムカついてる時は「じっち」だった。
そんな金持ちの家と同じと思ってんの・・・?
芸能人一家なんて、子供たちはみんなこぎれいな服を着てお行儀もよく丁寧に育てられてるのがうかがい知れる。
親子や祖父母との言葉遣いだってうちとは大違いだろう。
私なんて数枚しかないいとこたちのお下がりの服をローテーションで着て、下手したら縫製業の親せきから端布をもらってきたり廃盤の布をもらってきて祖母が縫った服を着ているのに?
身なりからこれで何が「おじいさま」?
呆れて返す言葉もない。
なので、私はただの一度もおじいさまだなんて呼んだことはない。
言葉の先生
子供は、どうやって言葉を覚えるのでしょう?
答えは「身近にいる人」でしょう。
子供の言葉の先生、それは、両親、祖父母、きょうだい、親戚や先生、要するに自分を取り巻く人からだ。
一番一緒にいる時間が長い人の言葉を特に覚えるだろう。
そもそも、捨てられたのを拾っただとか散々酷いことを言い
私や祖母に対してひどい言葉を投げかけ、自分の子供(父親)の悪口を孫(私)に聞かせる。
そんな人を「おじいさま」?などと呼ぶわけがない。
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話し方のキツさ
私はよく節子伯母さんに
「真子の言いっぷし(言い方)はなんでそんなにキツいの?」
とよく言われた。
私は普通に話しているつもりでいた。
それに、節子伯母さんの言い方も相当キツいのでそんなことを言われる筋合いはないと、生意気にそう思っていた。
私の、幼い頃から染みついたキツい話し方は、学生時代にはトラブルの元になったし、大人になってもなかなか直すことが難しく苦労した。
北関東育ちということもあり、方言もきつく聞こえがちだ。実際、方言で友達と話してると、それを見た子供たちは「喧嘩してるみたい。」と言って笑う。
しかしそれ以上に、私の話し方はキツかった。今の話し方になるまで何十年かかったことかわからない。
子供時代って本当に大切だ。気を付けないと私のようになってしまう。
私は子育てしていく中で、子は親の鏡と思い子供たちに自分の言葉遣いがうつらないように注意した。
就職してからも誰と話す時もものすごく気を使って話していたが、ウッカリ同僚を怒らせてしまったこともあった。
そう、自己肯定感が低い私は自分の欠点を指摘されたり怒られることにとても弱い。
自分の話し方が原因だとしても、もうその人とは話せなくなってしまう。
同僚はいつまでも根に持っていないのに、私が1人で勝手に気にして話ができなくなった。
度々同じようなことがあり精神的にやむことも多々あった。
こんな私と友達になってくれる人なんていないと勝手に思い込んだ。
言葉遣いは一生付きまとうものとして気をつけなくちゃいけないと思う。
祖父母は「なんで普通に話せないんだ!」と私によく言ってきた。今ならわかる。
「それはあなたたちに育てられたからです!」私のせいにしないで!
優しい言い方で育てれば優しい言い方の人に育つんだから・・・。
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