テレビの視聴制限

幼児期のわたし

観ちゃいけない番組

祖母は自分の意に沿わないテレビ番組の視聴を制限してきた。


ビデオなどない時代、テレビも基本一家に一台の時代。

歌番組を観たいと言っても「ニュースを観るから。」「9:00過ぎは子ども寝る時間だ。」と言って観せてもらえないことがしばしばあった。

基本は8時台の番組は観られても9時台になったらダメ。

翌日が休みだろうが夏休みだろうがダメ。

テレビのごっこ遊び

今も昔も同じかと思うけど、私たちもごっこ遊びは大好きだった。

もうすぐ小学校に上がる頃、友子ちゃんや愛ちゃんは遊ぶたびに「熱中時代ごっこをしよう!」と言ってきた。

熱中時代は当時流行っていたドラマだ。

水谷豊氏が小学校の先生役の学園ドラマ。

そう言えば昭和って、子供が出てくるのドラマがとても多かった。

「あばれはっちゃく」「レッドビッキーズ」は放送時間帯が早かったので楽しく観ていたなと思いだす。

「熱中時代が観たい」私はみんなの話を聞いていてもたってもいられなくて

友子ちゃんと愛ちゃんも観てるんだからと祖母にお願いしたが

絶対にダメだとただの一度も観させてもらえなかった。

ダメな理由はわからない。

時間的な問題もあるだろうけど、人に対する偏見もかなりすごかったので、自分の気に入らない俳優が出ているとかそんなことかな?と思う。

私はみんなに観ていないと言えずにいた。観ていないというと馬鹿にされそうな気がして言えなかった。

なので3人が昨日の熱中時代の話が始まるとさも観てい素振りでうなずいた。

ときどき「昨日は途中で寝ちゃって覚えてない。」と噓をついたり。

いつもその話題になるとなんとかして「お天気いいし外で鬼ごっこをやろうよ!」と別の遊びになるように促したり。

でもどうしても外で遊べない日にとうとう熱中時代ごっこになってしまったことがあった。

未だに忘れられない、全然ついていけないごっこ遊びだった。

本当は観ていない嘘はすぐにバレた。

「嘘ついてるでしょ?観てないでしょ?」「嘘つき!」「嘘つき!」

私もなんで嘘をついてまで観てるなんて言ったんだろう。

噓がばれて恥ずかしいというよりもなんで観ちゃいけないんだろう?と苛立った気持ちになった。

観ちゃいけない基準が意味不明だった

その後も、9時以降の番組の視聴はダメというのは結構長く続いた。

昭和時代は、夕方の時間帯になると各局でドラマの再放送があったおかげで

見損ねた9時以降のドラマもできる限り観た。なんだか自分だけ知らなかったことが悔しかった。

かなり今更感はあったけど、再放送はありがたかった。

そんな夕方の再放送も、祖母がまた「内容が不適切。視聴禁止!」と言い出すことがあり

本当に意味不明だなと思っていたしうるさいなと思っていた。

何度も目を盗んでは再放送を観て、祖母が居間にいる日はどこかに行ってくれないかなと疎ましかった。

刑事ドラマはダメ、スポコンもダメ。暴力的だ、殺伐としている、など難癖をつけては絶対にテレビを消してきた。

男子が観るアニメもダメ。

いとこの男子たちが遊びに来て一緒に観ていると私だけとがめられた。納得できなかったけど、しつこくうるさいので私はあきらめていた。


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